相続税の対象となる財産

こんにちは。 京都の相続専門税理士、アーム税理士法人です。

相続税の対象となる『財産』について。

相続税は亡くなった方が所有していた財産がどのぐらいあるか(死亡時点で残っていたか)によって計算されます。

では、『財産』とは??

主だったものについて順番に見ていきましょう。

1.不動産

【土地】・・・亡くなった方が所有しているものが財産となります。所有者かどうかは法務局で取得できる登記簿(登記事項証明書)で確認します。評価額は国税庁が毎年公表している『路線価』や『倍率』を用いて算出します。

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【建物】・・・亡くなった方が所有しているものが財産となります。こちらも所有者かどうかは法務局で取得できる登記簿(登記事項証明書)で確認します。(ただし、未登記建物については登記簿は存在しませんので、市町村が発行する「固定資産税課税明細書」や「名寄帳」を確認しましょう。)評価額は『固定資産税評価額』を用いて算出します。

2.有価証券

【上場株式】・・・証券会社等の口座で預けているものや、特別口座(株券電子化の際に預託をしなかったものなどを管理するために信託銀行等で開設された口座)で預けているものが財産となります。評価額は①死亡日時点の終値 ②死亡月の平均値 ③死亡の前月の平均値 ④死亡の前々月の平均値 から一番低いものを用いて算出します。

【債券・投資信託等】・・・証券会社等の口座で預けているものなどが財産となります。評価額は死亡日時点の『時価(基準価額など)』や『発行価格』などを基に算出します。

3.預貯金

銀行へ預けているものが財産となります。評価額は死亡日時点の残高を基に算出します。

4.現金

自宅や貸金庫などに置いている現金で死亡日時点にあったものについても財産となります。特に死亡の直前に銀行口座から引き出した現金は財産として計上し忘れがちですので注意しましょう。

5.車・貴金属・宝石・骨董品・美術品 その他動産

亡くなった方の所有物(亡くなった方が購入したもの)が財産となります。評価額は死亡日時点の時価(売却換金価値)を基に算出します。

6.死亡保険金

亡くなった方が被保険者となっている生命保険契約や共済契約に基づき受け取った死亡保険金が財産となります。(ただし、亡くなった方が保険料を負担していた契約に限ります。)また、受け取った死亡保険金のうち『500万円×法定相続人の数』により計算した金額までは非課税となります。

7.退職金

会社に勤務している方が死亡した場合に、その会社から支給される死亡退職金が財産となります。こちらも生命保険と同様に『500万円×法定相続人の数』により計算した金額までは非課税となります。(「弔慰金」についても一定の金額まで非課税となります。)

8.相続開始前3年以内の贈与財産、相続時精算課税財産

亡くなった方から生前に贈与を受けている場合、受けた贈与が「相続開始前3年以内に受けたもの」である場合や「相続時精算課税制度を適用して受けたもの」である場合は、贈与を受けた財産が相続税計算上は亡くなった方の財産とされます。(あくまで計算上の話で、所有権は贈与時点で移転しています。)ただし、相続時において財産を一切取得しない方が受けた「相続開始前3年以内の贈与」については、亡くなった方の財産とはなりません。

  

  

まとめ

相続税計算上の『財産』について主だったものを大雑把に8点挙げてみました。本当は細かい論点がたくさんあるのですが、ここでは書ききれないので省略致します。また上記以外にも「非上場株式(自社株)」・「生命保険契約に関する権利」・「名義預金(名義財産)」などなど『財産』に含まれるものはたくさんあります。これらは専門的な知識を有していないときちんとした判断ができず、安易に考えていると税務署の税務調査で計上漏れを指摘される可能性大です。

相続税は税務の中でも特殊分野であり、きちんと理解している税理士は多くはありません。相続税申告を依頼する際は『相続専門税理士』へご依頼されることをオススメします。